今、定年は60歳だが、会社によって呼び方は違うけど、再雇用とか、定年延長とか、65歳くらいまで働けるだろう。どうして働かないの、もったいないじゃないか。 そう言うけどさ、考えてごらんよ。平均寿命でみると、あと20年しかないんだよ。平均余命だと23年かな。
小説を書くって、かっこよく言えば、クリエイティブな仕事だ。 そういう能力ってどんどん退化するんだよ。 子どもだったら、年ごとに成長・進化するけど、悲しいかな年寄りは、年ごとに退化するんだ。だから、60歳からスタートするか、65歳からスタートするかでは、成果にものすごく大きな差が出るように思う。だったら、65歳までなんて待ってられないよね。 しかも、あと20年と言っても、命が続くかどうかなんて保証されていないんだ、事実、オレにきっかけを与えてくれた山口瞳だって69歳でなくなっているし。 天野節子も同じようなことを言っているが、人生80年を3つのステージに分ける。 1、最初の20年は、教育と成長の期間:学校へ通って大人になるための準備だな。大学までいくとこの期間が22年になり、修士課程や博士課程に行けばもっと長くなるし、医者の教育期間も長い。その分だけ大きな社会還元を期待することになるのだが。 2、次の40年は、社会還元の40年:動物として最大の還元は種の保存、つまり子どもを育てることだと思う。私たち夫婦は二人の子どもを育てて世に送り出したので、この点はクリアしたつもり。もう一つは、豊かな生活への貢献だが、高度成長期の日本経済を支えた一員としてずいぶん仕事をしたつもりだ。仕事の種類にもよるが徹夜仕事も何回もこなしてきた。 3、最後の20年は、自己充実の20年:生活費を稼ぐ義務から解放され、自分のやりたいことをやって充実感を感じつつ死への備えを整える。 残り20年といっても、75歳過ぎてからは、あまり活動できないだろうし、クリエイティブな能力は70代に入ったら急激に低下するだろう。 もう、迷ってなんかいられない。再雇用も定年延長もお断り。
さぁ、小説家へ向かってスタートだ。 北上大
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