なぜ小説家になろうとしているの? 本当は自分でも良く分からないんだ。 もう40年も前になるかな、山口瞳の口演を聞いたことがあるんだ。話の内容は覚えていないけど、一つだけ印象的に頭に残っているのが、どうしたら小説家になれるのかってこと。
それって、なんだと思う?
答えは「小説家になろうと思うことだ」って。 えっ、なんか当たり前じゃん。 そうでもないよ、たとえば ・米屋の息子が何となく親のあとを継いで米屋になった ・就職担当の先生から「この会社は将来有望だから受けてみたら」なんて言われてそのまま入社した ・ぶらぶらしていたら、親戚の叔父さんが仕事を世話してくれて、そのまま一生の仕事になった ・会社に入ってから、どんな業務を担当するかなんて、それこそ本人には選択権がない つまり、自分の意思とは関係なく、なんとなく今の職業についている人が結構多いってことだ。
これに対して、なりたくて職業を選ぶ例としては、 ・プロのスポーツ選手 ・将棋の棋士 ・大学の学部選びからルートが決まる医者 こういう職業の中に、小説家も入るのだ。
ふ~ん、そう言うものなんだと、その当時は聞き流していた。小説で飯が食えるとも思えないし、自分にそれほどの自信もないし、意欲もなかった。だけど、心の奥底にいつかチャンスがあったら小説を書いてみたいな、という思いが隠れていたのではないかと思う。
定年を迎え、贅沢をしなければ年金で食える環境を獲得した今、やりたいことをやってみようと、心の奥に眠っていた「小説家」が動き出したと言うことのようだ。 自分として、それほど意識したわけじゃないけどね。 北上大
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