小説家を目指すのに定年退職がスタートって、遅くない? 遅いだろうね、でも不可能じゃないと思う。 天野節子って人を知っているかな。 小説「氷の華」を書いた人だ。
彼女は、幼稚園の先生から一貫して幼児教育に携わって来た人だが、60歳の定年を迎えるに当たって、自分の人生を振り返ったときに、なにか物足りない虚しさを感じた。幼児教育は一生懸命やってきたけど、自分として残したものがあるだろうか。元来、小説が好きで、暇さえあれば小説を読んでいたという天野節子は、自分で小説を書いて、作品を残そうと考えた。完成目標は、3年後の60歳の誕生日。 素人作業で書き始めたが、なかなか思うように作品が進まない。3年間で書いた原稿は1万枚に及ぶという。最終的な「氷の華」の分量は600枚位なので、書いた原稿のほとんどは没にして、選びに選び抜いた結果が「氷の華」だった。 この後、応募した賞に落選して、紆余曲折を経て自費出版に至るのだが、良いものにはちゃんと陽が当たるものだな。 評判が評判を呼んで、正式な単行本として再出版され、米倉涼子主演で、テレビ朝日の2時間ドラマとして放送されたので見た人も多いと思う。
ま、一例だが、定年作家というのは「あり」だということだ。 ちなみに、天野節子さんは、作家にはなっていない。 小説は、趣味であり、もう一度小説を書くとしても、また玄冬舎ルネッサンスから自費出版するといっている。 北上大
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